花粉症と咳の関係性
花粉症とは
花粉症とは、花粉が原因でおきる季節性のアレルギー疾患の総称です。鼻の症状が主な場合は「アレルギー性鼻炎」、目の症状が主な場合は「アレルギー性結膜炎」と診断されます。日本においては、2月~5月頃に飛散する「スギ、ヒノキ」や5月~10月頃に飛散する「カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ」などが原因となる花粉症が多いです。
花粉による咳症状悪化
花粉症は、基本的には鼻や目の症状を引き起こします。しかし、花粉を吸い込む量が多いと、目や鼻だけではなく気道(空気の通り道)にも悪影響が生じて咳を引き起こしてしまいます。その場合は、花粉により引き起こされた「気管支喘息」や「咳喘息」などの呼吸器疾患による咳の可能性があります。
花粉症と喘息
呼吸をするとき、空気は鼻→気管支→肺の順番で肺へ到達します。つまり、鼻と気管支はつながっているため、鼻症状と呼吸器症状が同時に起こる事は多いです。特に、花粉飛散時期には鼻炎(鼻水、鼻づまりなど)と喘息(咳、ぜーぜーなど)が同時に起こりうるため、両者を同時にしっかり治療する事が大切です。
環境再生保全機構 ホームページより
まとめ
花粉症は日本人の約半数が発症していますが、鼻症状だけでなく咳を認める場合には、アレルギー性鼻炎に喘息を合併している可能性があります。実際、アレルギー性鼻炎の方の20-40%は気管支喘息を合併し、気管支喘息の方の60-80%はアレルギー性鼻炎を合併すると報告されているため、両者を適切に治療・管理する必要があります(1)。
- 花粉飛散時期に鼻症状や目症状だけでなく咳がでてきた
- 花粉症薬を飲んでいるのに咳だけが続いている
など、気になる事がありましたらお気軽にご相談ください。
(1)Chest. 1997 Feb;111(2 Suppl):11S-16S.